何か迷った時とかに、自身のバイブとする本はありますか?
そんな時に私が読みたくなる本がコレ。
「葉隠」です。
この本が記されたのは、戦国時代の名残が薄れつつある平和な江戸時代中期(1710年代)。そんな時代を生きた佐賀藩士山本常朝が、武士の生き方や心得を、もう一度見つめ説いたものが「葉隠」です。
武士道というと「武士道とは、死ぬことと見つけたり」という言葉はあまりにも有名で、皆さんも一度話聞いたことがあると思います。
そして、この言葉から連想する武士道のイメージは、命を顧みず突き進むことを肯定するような危険思想のように感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、この言葉が、武士道が誤解される最大の「切り抜き」となっていて、私も最初に読んだ時、常朝が伝えたいことが180度違うことに大変驚かされました。
常朝が説いているのは、
「何事も物事を達成させる、あるいは、いざという時に適切に対応するためには、普段から常軌を逸して取り組まなければ成す事は難しいだろう。
つまり、一心不乱に死ぬ気で事に当たれば、たとえ絶体絶命の極限状況の中であっても、そこに活路を見い出すことができるかもしれない。そのような日ごろの心構えが、結果を大きく変えるのだ。」という感じです。
それ以外にも、武家としての子供の育て方なども。
そこは当然ですが「厳格に育てろ」と書いてあるのではと、疑いもせず読んでみると、
「特に男の子は、調子に乗らせるくらい褒めて褒めて育てることが大切。厳しく育てると、小さくまとまった人間になってしまう。自身が1番優れていると思い込むくらいでなければ、実際の1番になる事は難しい。」などとも。目から鱗ですよね。
1人の父親として感心すると同時に、よーく観察しながら接していたのだなと、江戸時代の子供に対する父親たちの大きな愛を感じました。
実は、この「葉隠」は、大東亜戦争終戦後GHQによって、焚書指定となり没収されたこともあるもの。
なぜ米国はこの本を焚書にしたのか。日本人から遠ざけたのか。
読めばその理由である「日本の精神」や「国体」にふれることのできるすばらしい1冊です。
もしお時間のある方は、ぜひ手に取っていただきたい1冊です。