【中学校の全員制給食について考える】

先日、市内の全員制の中学校給食をめざす会の方から、公開質問状が届きましたので、このことについて考えたいと思います。

現在、藤沢市の中学校給食は、全中学校で1日単位で利用できる選択制デリバリー給食を実施しています。つまり、給食と持参弁当をどちらかを選択する環境です。また、給食を利用している割合(喫食率)は3割程度といった状況になっています。

私は、以前、調理に携わる仕事をしていたこともあり、食は最も大切にしなければならないことの1つだと考えています。そして、食は自身の体に関わる事ですから、誰かに全てを委ねるのではなく責任を持って選択できる環境でなくてはならないのではないでしょうか。

私が、全員制給食となることに対し懸念するのは、給食は提供する側の食に対する考え方が大きく影響するものであり、全員制となれば自身の体に合わせた選択をすることのできない不都合さを感じるからです。

例えば、給食は、保護者が給食費をどの程度負担するのかといった問題だけではなく、使用する食材の質や種類、献立やアレルギー対応、地産地消といった食育をどこまで行うかによっても、提供される料理が大きく変わってきます。

また、食の問題となっている添加物やグルテン、成長ホルモン剤や乳製品、トランス脂肪酸や遺伝子組み換え、そして最近では昆虫食を含んだ食材など、強く食べさせたくない・食べたくないと考える保護者や生徒もいるのではないでしょうか。

また、スポーツに真剣に取り組んでいる子どもには、給食の量では全く足りないといった声も聞いたことがあります。その子は野球で甲子園に行くことを目指しているのですが、なんと3人分食べるそうです。素晴らしい!

このように、生徒それぞれに食の理由があるはずですが、全員制給食となり、全員が同じものを食べる中で、自分に合った食事を行おうとする者がいたときに、学校やまわりの生徒が何事もなく容認することができなければ、ストレスや摩擦などが生じ、新たな問題へと発展していくことも考えられます。

また、各家庭にそれぞれの事情があると思いますが、愛情の詰まった弁当を食べる事は、子供にとって何よりのご馳走であり、これこそが食育だと私は考えるのです。

給食を選択できるということは、子どもの好みや家庭環境に合わせることができます。

自分に合った食を選択する、栄養のバランスや適切な量を考えるなども踏まえ、全員制ではなく自分で選択できる制度にするべきではないでしょうか。

皆さんはどのようにお考えですか?

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