【先祖の話③】

日本国内最古の遺跡は、鳥取県にある砂原遺跡。

出土した石器を厳格に調査したところ、11万〜12万年前につくられたものと認められました。
つまり、私たちの先祖は12万年以前にはすでに日本列島にたどり着き、生活を営んでいたようです。

この歴史は、本当に脅威としか言いようがありません。
初代神武天皇が即位してから126代今上天皇まで今年で2685年。
それを40回以上繰り返すことのできるほど長い長い歴史があるのです。

では海外はというと、現在知られている最古の遺跡は、やはり人類の発祥の地、アフリカ。タンザニアにあるオルドバイ遺跡で発見された石器で、桁違いの190万年前。
やっぱり世界はすごい!
となりがちですが、この190万年前の石器は、必ずしも私たちホモ・サピエンスの先祖が作ったかどうかは不明だということ。

これは、旧石器時代の定義が「人類が石器を使い始めてから、土器が発明されるまで」となっており、また、ホモ・サピエンスが誕生したのは今から30万年前。

つまり、ホモ・サピエンスが誕生する以前に作られたのですが、私たちの先祖が作ったのか、または遥か昔に枝分かれし190万年前にはまだ現存していた親戚の猿人が作ったのかは不明なのです。

さて、そんな旧石器時代の遺跡ですが、現在確認されている遺跡の数は、どこの国が1番多いか分かりますか?

旧石器時代遺跡の正確な総数は国ごとのデータ不足で正確な数は分かりかねるのですが、概ね次のように推定されています。

• フランス・スペイン: 数千~1万以上(洞窟遺跡中心)
• ドイツ・イタリア: 数百~千
• タンザニア・エチオピア: 数十~百(主要遺跡)
• 南アフリカ: 数百
• 中国: 数千
• 韓国・インド: 数百~千
• アメリカ: 数百~千
• チリ: 数十
• オーストラリア: 数百

そして、我が国日本の旧石器時代の遺跡の数は…。
その数、なんと「1万4500カ所」。
実は、中期旧石器時代以前の遺跡数は少ないものの、国土面積の密度から言えば世界的にも突出した数の遺跡が国内で確認されています。

この遺跡の数は、各国の人々の遺跡に対する関心の高さや国が塗り替わる侵略の歴史などにも左右されるので、一概に比較することはできませんが、それでも日本が当時から住みやすい場所であったのは明らかなようです。

実は、藤沢市にも旧石器時代の遺跡があります。
・下土棚諏訪ノ棚遺跡
・用田鳥居前遺跡
・根下遺跡
・稲荷台地遺跡

更に、旧石器時代は今よりも海岸が約120メートル以上低い位置にあったと言われています。つまり現在見つかっている旧石器時代の遺跡は、当時の海岸線より120メートル以上高い位置にあった遺跡となるのですが、豊かな海に囲まれた日本では、狩猟よりも海産物を取る方が、食料を確保するには簡単で効率が良かったと考えられます。

海岸近くにあった多くの遺跡が、現在は海の底に眠っていると思うと、ロマンがかき立てられませんか?

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