■ また値上げのニュースが飛び込んできた
2026年5月25日、コカ・コーラボトラーズジャパンが9月からさらなる値上げを発表しました。
ペットボトルや缶入り飲料など計165品目が対象で、2026年9月1日出荷分から値上げとなります。値上げ幅は税抜きで20〜30円です。 500mlペットボトルの希望小売価格は税別200円から220円に、「ジョージアエメラルドマウンテン」185ml缶は税別145円から165円になります。
かつて自販機で130円台だったコーラが、9月以降は240円台になる可能性があります。わずか数年で、ほぼ倍の価格です。
■ 納豆も、野菜も、止まらない値上がり
コカコーラだけではありません。
ミツカンは納豆商品19品を6〜20%値上げし、「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ3P」は235円から281円に引き上げられました。 「おかめ納豆」のタカノフーズも、納豆・豆腐など全商品で10%以上の値上げを実施しています。
野菜はさらに深刻です。厚生労働省のデータによると、ほうれんそうは約25%、じゃがいもは約30%、はくさいにいたっては約56%もの価格上昇が起きています。
そしてこれは序章に過ぎません。帝国データバンクは「早ければ今夏中、遅くとも秋ごろに広範囲な値上げラッシュ再燃の可能性が高い」とし、2026年通年の値上げ品目数は最低でも1万品目以上になるとの見通しを示しています。
■ なぜここまで値上がりするのか
今回の値上げの背景には、2026年2月に中東情勢の緊迫化によりホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、日本のナフサ調達が急激に滞ったことがあります。ナフサは食品トレーや容器など生活必需品の原料となる石油化学製品の基礎原料であり、コカコーラのペットボトルや缶の資材コストも直撃を受けています。
これに円安・原材料高・物流コストの上昇が重なり、企業が吸収しきれなくなったコストが次々と価格に転嫁されています。物流コストが高い状況で企業が賃上げをしても、そのコストがまた商品価格に転嫁される「イタチごっこ」——これをコストプッシュ型インフレと呼びます。給料が上がっても、物価がさらに上回る構造です。
■ 最も苦しいのは誰か――障害者・年金生活者への直撃
値上げの打撃を最も受けているのは、収入を自分の力で増やすことが難しい方々です。
賃上げの恩恵は大企業・正規雇用が中心で、中小企業・非正規労働者・福祉分野の方々にはほとんど届いていません。年金はさらに深刻で、「マクロ経済スライド」という仕組みにより、年金の伸びは物価上昇よりも意図的に低く抑えられる設計になっています。障害年金・生活保護も同様です。
コーラ1本・納豆1パックの値上がりは、収入が柔軟に動かせる方には「ちょっと痛い」話かもしれません。しかし年金や障害年金で生活する方にとっては、毎月の食費を削るか、食べるものを変えるかという問題に直結します。これは家計の問題ではなく、命と尊厳に関わる問題です。
■ 政治に何ができるか
個人の節約には限界があります。構造的な問題には、構造的な解決策が必要です。
給付・年金の実質的な底上げが急務です。マクロ経済スライドの見直し、障害年金・生活保護の物価に見合った改正——「制度上は上がっている」でも実質マイナスでは意味がありません。
中小企業・非正規への賃上げ支援も不可欠です。大企業だけの賃上げでは社会全体には届きません。中小企業が賃上げできる環境づくりへの公的支援が鍵を握ります。
食料安全保障の強化も中長期の課題です。食料自給率38%という構造的脆弱性を放置すれば、中東情勢や円安のたびに食卓が直撃されます。
藤沢市レベルでも動ける政策があります。低所得者・障害者世帯への物価高支援給付、フードバンクとの連携強化、福祉タクシーや移動支援の拡充——地域の政治が動けば、確実に生活は変わります。
■ 市民が今日からできること
政治が動くまで待つだけでなく、今日からできることもあります。
まず給付制度の確認です。物価高支援給付金や住民税非課税世帯向け給付など、知らずに見逃している制度がないか、市の窓口で確認してください。申請しなければ受け取れない給付が多くあります。
買い物ではPB(プライベートブランド)商品の活用や特売日のまとめ買いが有効です。節電・省エネで光熱費を抑えることも、食費に回せる余裕を生みます。
そして何より大切なのは声を上げることです。市議会への請願、SNSでの発信、選挙での一票——「おかしい」と言い続けることが政治を動かします。
■ 藤沢市内のフードバンク・食料支援窓口
生活が苦しい場合、フードバンクを利用することは権利であり、恥ずかしいことでは決してありません。藤沢市内には以下の窓口があります。
バックアップふじさわ(市役所本庁舎2階 地域福祉推進課)
電話:0466-50-3533 食料支援を含む生活困窮の総合相談窓口です。
バックアップふじさわ社協(藤沢市社会福祉協議会)
電話:0466-47-8131
藤沢フードパントリー
毎月第4土曜日13時〜16時に開催。食料品を必要としている方に直接お届けする活動です。
場所:藤沢市藤沢545-48-101 電話:090-1052-1730
フードバンクふじさわ(NPO法人グループ藤)
電話:0466-26-2001
場所:ラポール藤沢(藤沢市稲荷345) 毎月第1・第3金曜日に活動しています。
■ 当事者の声を、政策の場へ
生活が苦しいのは、その人の努力が足りないからではありません。構造が間違っていのならば、本来経験することのない負担を国民が背負わされており、そこには「節約で乗り切ろう」では解決できない問題があるのです。だからこそ、当事者の声を政策の場に届け続けてることが大切だと思います。